040―ジサツ 夫人の部屋から新たに見つかった鍵。 そして未探索の部屋は残り三。 先ほどわかったことなのだが、しあわせの石の確率操作にはある程度、当人の意思が関...

039―カギ 三階には、鍵の掛かった、開かずの部屋が四部屋存在する。 鉱山の経営主兼村長のバート、夫人、息子、そしてもう一人家族構成から外れた人物、この四人のプ...

038―オモイ 親愛なるハリムへ 君がこの手紙を読んでいるのなら、君の許に無事届いたようで良かった。まず薬のことを君に話すことができなくて申し訳ない。リーナが襲...

037―メザメ 目覚めたのは午前十時頃。 昨夜の逃走劇の疲れが想像以上に僕の身体を蝕んでいたらしい。 昨夜の犠牲者はゼロ。 失ったもの、いや得たものはせいぜい鉛...

036―オニゴッコ いる。 僕の目の前にいる。 粘り付くような声が、僕を見つけた愉悦からか裏返っている。 吐息が僕の頬を撫で、肌にまとわりつく。 「やぁ、シャデ...

035―ドウキ 議論のコントロールは無事上手くいった。 ただ作戦の成功に対する喜びとは裏腹に、彼女の最期の笑顔と一筋の涙が脳裏に焼き付いて、何かを見失っている、...

034―シツイ 子供の頃は友達が少なかった。 運動神経も悪く、不器用で、性格も暗かった。 だけど、そんな俺を支えてくれた幼馴染はいた。彼女は俺と違って、話の輪に...

私は趣味でウェブ小説を書いている者です。 これまで色んな執筆ソフトを使っていたのですが、最終的に辿り着いたのはジャストシステムが販売する日本語ワープロソフト『一...

033―イッポ 議論開始から五十分ほど経った。 僕の心を支配していた狂気は僕の沈黙と共に徐々に消え去っていった。今の僕は冷静だ。 あれからマイアはシャディ追放を...

032―キョウキ 静寂。 人間も宇宙人も、誰も何も口に発しない。 皆は各々の表情を浮かべるが、共通して僕に対する忌避感だけはわかる。 今、僕はかつて味わったこと...