【048】汝は宇宙人なりや?【ホラー・ミステリー】【オリジナル小説】
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048―ユウキ

俺はシャディを信用している訳ではないし、ガレンも信用している訳ではない。宇宙人が襲撃していないという状況がシャディを有利にするというガレンの説明も納得できる。

ただそれでもガレンの主張には引っ掛かりを覚える。

俺は追放された者たちの判別ができる。

アンジョーとクレトンは人間。マイアは宇宙人だった。

今、この状況下で一人しか宇宙人がいないのは、襲撃がなかったということからもわかる。襲撃によって、人間と宇宙人が同数になり、宇宙人の勝利を決定づけるからだ。
だから宇宙人がこの中に一人しかいないという事実はある程度推測できる。

ガレンの主張はこうだ。

襲撃がないという選択がこの中に一人しか宇宙人がいないということを示す。そしてマイアとシャディが共に宇宙人である可能性はない。

つまりガレンの中での宇宙人はアンジョーとシャディの二人ということになる。俺がガレンに、マイアとシャディが共に宇宙人である可能性を聞いたのは、その可能性が最も考えたくないものだったからだ。

今朝、マイアが宇宙人であると知って、シャディが襲撃されると思っていた。

しかしシャディは生きていた。

ガレンはこの中でも、シャディと並ぶほど賢い。ガレンがこの可能性についてどう考えているのか知りたかった。

そしてガレンが出した答えは、あり得ないというもの。

俺は、アンジョーが人間であることを、マイアが宇宙人であることを知っている。

だからガレンの主張は間違っていると俺は断言できる。当然、ガレンの主張が間違っているとわかるのは俺だけだ。

その間違いがガレンの単なる思い込みなのか、ミスリードなのかはわからない。

シャディとガレンは論戦を繰り広げている。そこに俺とミラと張本人であるフセインが介入する余地はない。二人の一歩も退かない論戦を静観しながら、頭を働かせる。

もう一度言う。

俺はシャディを信用している訳ではないし、ガレンも信用している訳ではない。投票先如何によっては、今日ゲームが終わってしまう。

シャディは今日フセインに投票すると言った。宇宙人と共闘関係を結ぶ彼を追放すれば、ゲームを一日延ばすことができる。
一日延ばすということは、俺達に考えられる時間が与えられるということ。ただその分犠牲も生まれる。

シャディの言い分も理解できる。

ここでのフセイン追放は人間サイドの勝ちを確実に近づける方法だ。ただそこに犠牲が見合うかと言えばそうではない。誰だって自分の命が大事だと思う。加えて今日襲撃されるのは俺かミラだろう。
なおさらシャディの案に賛成できない。

だけど、それでも。

ブレンドンは自己犠牲の恐怖と戦った。少しでもみんなの勝利を思って行動した。ブレンドンの希望はまだ消えていない。リスクを恐れていたら、結果なんて出ない。

「ガレンさん、シャディ。一ついい?」

自己犠牲が誇れるものだとは思わない。ただここで勇気を出さなければ、きっと俺達は負けてしまう。

だから俺は、

「俺はフセイン追放でも良いと思ってる」

絶対的に正しい方法はわからない。だけど今は彼を信じるための情報が欲しい。

 

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