【第六話】少女×秘密=愛?【R18】【オリジナル小説】

第六話――見せる者、魅せられる者

 立宮の怒張した肉棒は、その当人の意志とは反して、早く快楽を寄こせと赤黒い血管を浮かべそり立った。男性の平均と比べれば幾ばくかは大きい。

 だが比べたこともなければ、見たこともない奈月にとって、その邂逅は正しくせいてんへきれきだった。

「へえ。こんなに大きくなるんだ」

 奈月は、道端に落ちた動物の死骸を木の棒で突く小童の如く、赤く腫れた雁首を細い白指でちょんと触れた。恐怖はある。ただそれを優に超える好奇心もあった。

 そんな粘り気を含んで絡みつく奈月の視線に、立宮は思わず腰を引いてしまう。蛇に睨まれた蛙のように、怖じ気を覚えた立宮に抵抗する術はなかった。

 男女の性差を超えて、正しく場を支配していたのは、奈月その人だった。

「そんなに気持ちいいの?」

 怖じ気の一つも奈月には伝わらない。そればかりか自分が触れたせいで立宮に腰を引かせてしまうほどの快楽を与えたのだ、という勘違いが更に奈月を加速させた。

 真っ白な女の指が男のふくらみをなぞる。

 亀頭の丸みに沿って撫で回し、やがて奈月はしなやかな指を肉根に絡めた。まるでその輪郭を確かめるように。

「……ッあ!」

「そんな声出しちゃうんだ」

 手付きは初めてのおもちゃを扱う園児並みの乱暴さ。巻き付けた指でぐにぐにと肉棒を押し縮める。処女相応の手付きとも呼べようが、しかし学園の天使とも呼ぶべき(その正体は小悪魔そのものだ)可憐な少女に己のマラを弄ばれているという、愉悦と優越が肉芯に更なる快楽を刻んだ。

 もどかしいが、指の腹は柔らかく、そして温かい。直に触れ合った体温おんどが互いに伝播して、渦を巻いて期待を膨らませた。

「……ッ! 君は自分を壊す……っ、ためだと言ったね。君にとって、君の初めては壊すに相応しい……ものなのかね?」

「? まあそうね。これは私が人生で一番大切にしてきたものだから。多分、私は親や級友が殺されても、何とも思わない。他人に合わせるだけの人生で、とうに自分を捨てた私だけど……ううん、そんな私だから、譲れないものもあると思うのよ」

 絡みつく指を緩め、仰向けに肩を揺らす立宮に視線を送る奈月。

「処女って一番、自分っぽい感じしない? だから多分これを失ったとき、私は本当の意味で壊れるのよ」

 親の命令に従い完璧を強いられた少女。他人に完璧を強いられ自分を見失った少女。彼女もまた自分が完璧であることに拘り続けた。だからこそ彼女はコンプレックスであろうその小さな胸を偽ったのだ。

 しかし彼女が偽るのは胸だけではない、それは心そのものだ。胸など心を偽る上での副産物でしかないのだろう。

 よじれて、乱れて、交錯して。嘘を吐き続けた彼女は何時しか絡み合った糸のように解くことが難しくなった。孤高を貫く彼女に手を差し伸べようとする相手はおらず、独りで無理に解こうとして、より捩れて絡み合う。そしてそれは肥大化して、玉のような結び目を生み、しこりとなって彼女を苦しめた。

 解くことができないのなら、切ってしまえと。変わることができないのなら、壊してしまえと。そうすれば絡まった糸はまた一つの糸になる。そうすれば古い自分は捨てられ、新しい自分に生まれ変わる。

 そんなこと……、

「……間違っている」

「はぁ。もう一度言うわ。そこに価値を見出すのは私。私の人生に他者が介入する余地なんて……一つとしてないのよ」

 悲哀に沈んだ絶望色の眸を眺めた。数秒ほど視線を交わせば、奈月はやがて蠱惑的にその双眸を歪めた。

「ふふっ。下らない正義感ね。頭では否定してても、こっちの方は肯定してるみたいだけど」

 巻き付いた右手が動いた。上へ下へ。くすぐるようなソフトタッチが淫猥なピストン運動に変わり、丹念に屹立を扱き始めた。

「……はぁ……お……い」

「ねえこんなに大きくなっちゃった。どう気持ちいい? 立宮くんのおち○ちん、こんなに大きくなってるよ」

 肉々しい屹立に刻まれる快楽が、立宮の呼気を乱す。

 奈月はお嬢様然とした態度も言葉使いも、今だけは忘れた様子で、好奇心に動かされる童のように細い白無垢を上下に振る。

 経験はないが、なまじっか知識はあるよう。

 何をすれば男が気持ちよくなるのか、その白指は答えを知っていた。

 手持ち無沙汰だった親指がカリを滑り、裏筋に触れる。四本の指は相変わらず肉棒を扱くが、徐々にスピードを弱めていった。そうして親指が裏筋を二、三度擦り、定位置とでも言わんばかりに、再びカリを経由して、扱く四本の指に合わせる。

 そして上下運動を繰り返すその淫猥な動きが速まっていく。

「……はあ、なつき……」

 油断していた。奈月はこの学園でも、いや県内でも指折りの秀才だ。その学習能力は一般人の基準を遥かに超えるもので、その経験の無さを補うように、既に立宮の屹立した肉棒を扱うのに慣れていた。

 ましてや彼女は音楽的才能も人並みではないと聞く。触手のように器用に動くその指は、ピアノや金管楽器で鍛えられたものではないか。

 立宮の乱れる様子を見て、奈月は緩急を覚える。初めは単調だったピストン運動が、精彩を与えられ、卑猥を増していった。突然に上下運動が速まったかと思えば、後少しというところでスピードを弱めていく。逆に物足りないと思った途端に、スピードが増し、どくどくと陰茎を硬くしていく。

 どうやら奈月はエロ方面の才能も豊かだったようだ、そう刻まれる快楽から諭されるのは時間の問題ではなかった。

 ぐちょりぐちょり。

 肉棒が淫らにわななき、鈴口から透明の液体を排出する。我慢汁というヤツだ。

「へえ。これがカウパーね」

 奈月が扱くのを止め、人差し指を鈴口へと伸ばす。

「お、おい」

 亀頭の上で淫猥な渦巻きを描き、長い銀の糸を引いて、人差し指を退く。そしてそれを――口に含んだ。

「ちゅぱ。うーん。少ないから? そんなに味はしないわね」

 口に入れたそのカウパーを味わうように咀嚼する。しかし数滴にも満たないそれに不満足気に眉を歪めた。吐き出してはいないから、決して不快というわけでもないはずだ。

 そして奈月は笑う。無防備に、純粋無垢に、少女のような笑顔を浮かべた。それは恍惚と立宮のグロテスクな屹立を眺め、ふしだらに歪む唇はより一層平時の美貌を艶やかに、美しく染め上げた。

 垂れる横髪を、肉棒を扱く右手とは反対の左手で掬い、耳にかける。その貌は徐にいきり立つ一物に近づき、

 ちゅっ。

 艶めかしいキス音と共に、鈴口に溜まるカウパーを舐め取った。

「味は……ん。独特な感じ。しょっぱい?」

「奈月……頼むから離してくれ」

「あら。二人称は"奈月嬢"じゃなかった? 動揺してる? それとも嫌いになった?」

 再び奈月は恍惚とした貌を肉茎に近づけた。くんくんと匂いを確かめ、裏筋から亀頭の先端まで自らの唾液と湧き出るカウパーを混濁させるように、熱い舌を押し付けて舐った。

「れろぉ……ふふッ」

「……ッ!」

 いきり立った怒張が、びくんと震える。割れ目から新たに我慢汁が噴き出して、快楽を寄こせと傲慢にも怒張は膨らむ。

「籠絡させてあげる。それこそ私がいないと生きてられないくらいね……ん。れろ……ふふ」

 桃色の舌を覗かせ、あどけなく笑う。アイスクリームを食べる少女のように、舌で肉茎の根元をれろり。舐めるというよりは撫でると言った感触に近い。

 桃色のざらざらが唾液と一緒に纏わり付いて、筆舌尽くしがたい、快楽の波を生んだ。

「れろ……れろ、れろ。んん。ちゅぷ……ちゅぷ」

 やはり経験がないせいか、舌の動きは拙く、鈍い。貌だけが上下に動いて、その動きと同期するように舌が屹立を這う。

 それでも男を覚えていないその動きは、慣れていないのにもかかわらず男を悦ばせたいというその初心うぶは、心の内で押し留める男の劣情をそそった。

「ん。れろ、れろ……れろぉれろぉ……ちゅ。はぁ。ぺろ、ぺろ、れろぉ」

 貌が動く。根元からカリ手前まで舌が撫でる。赤黒いグロテスクが桃色の舌と白無垢に並び、背徳的なコントラストが視覚を犯す。

 もはや立宮の怒張が大きすぎるのか、奈月の貌が小さすぎるのか、そんな明白な感覚さえ立宮の脳内には残っていなかったのだ。

「れろ、れろ、れろ……ふふ、気持ちいいの? れろぉ、れろ、れろぉ。ん」

 貌が動く。縦の運動が切り替わり、横の運動に変化する。そして桃色の舌端は裏筋を重点的に攻め立てた。

「……くッ」

 刹那、電撃のような悦楽が走った。ちろちろと裏筋を生暖かい舌の凹凸が擦り、熱に浮かされたような熱い吐息が怒張に当たる。

「はぁ……れろ、ぬぷ。れろぉ……はぁ。んん」

 そんな立宮の反応を楽しむように、奈月は夢中になってペニスを舐めた。彼女にも羞恥の感情がないわけではない。その証拠にその頬はリンゴのように紅い。

 破廉恥極まりない彼女の姿を見つめていると、

「れろ、れろ…………」

 上目遣いの彼女と目が合った。やはりその眸はサディスティックに笑ったのだった。

 割れ目から欲望の滴が溢れ出る。そしてまた彼女は割れ目を突くように、舌でその我慢汁を掬った。

「れろ……ちゅぷ。れろぉれろぉ。ん。ちゅぷ……れろぉれろ」

 根元を這い、カリを撫で、裏筋を擦り、鈴口を突く。時にはフルートを扱うように横咥えに唇がついばみ、湧き出るカウパーをキスで拭った。

(……気持ちいい)

 口には出せない立宮の素直な感想だった。しかし、末恐ろしいのはまだその怒張を口内で咥えていないという事実。嫌でもその先を期待してしまうのは、男の性というものだろう。

「どうしたの? そんなに見つめちゃって……ふふ」

 知っている。蠱惑的に歪む口角、くすくすと悪戯を企む子供のような含み笑い。この乙女おんなは間違いなく男の期待を知っていた。

 伊達に、他人の前で完璧を演じ続けたわけではなかったらしい。人の感情も機敏に読み取って、明け透けに心を見つめるその眸が、(小)悪魔的に恐ろしい。

「大丈夫。ふふ。私は焦らしたりしないよ。続きが欲しかったら……とか言うほど意地悪じゃないから。だから最後まで一緒に――気持ちよくなろ?」

「――なつき――」

 んくんく。

 呑み込んだ。呑み込まれた。あの小さなベビーピンクの唇が、グロテスクな屹立を咥え込んだ。

「ん。ぬぷぬぷ……ああ、んん。すごい、大きい……じゅるじゅるる……んん、唾液が止まんない……じゅる、んんっ、ちゅぷ。んむ」

 迫り上がる快楽に、青白い火花の錯覚を起こす。

 白く艶めかしい肌、そしてピンク色の綺麗な唇が赤く腫れた肉棒に吸い付いて、背が弓なりに反った。脳を痺れさせる毒じみた悦楽に、遂には抵抗の無意味を諭される。

 はむはむ。

 根元まですっぽりと覆った唇がその感触を確かめるように、口内全体で優しく締め付けた。

 理性が朦朧とする。理性とは最も遠い人間的な本能が絶頂の時を知覚している。

「んむ、んん。ぬぷ……ちゅ。んむんむ。んちゅる。ちゅぱ……んんん。じゅる」

 美味しそうに、まるでロリポップをしゃぶるように、一度食いついたら離さない。ぬぷぬぷと口腔で猛ったモノを舐められ、撫でられ、舐られ、しゃぶられ。その貌は上下することなく、舌と、唾液の滑りだけで射精感を押し上げる。

「んぷ、っんん。ぬちゅる。れろ……んむんむ。ちゅぷ……」

 恐ろしい学習能力の高さだ。手でしたときに、そして舌でしたときに見つけた立宮の弱点を、口腔内は確実に突いていた。

 特に反応の良かった割れ目から裏筋を巡る亀頭の膨らみ。

 陰茎は窄めた唇が唾液を塗りつけながら絡みつき、弱点の亀頭は舌が渦を巻くように舐る。

 一瞬後にやって来る悦楽の予感に、びくびくといきり立った屹立が脈動した。

「んむんむ……ちゅぱ。はぁ、んん…………んはぁ……ふふ」

 ――これで良かった?

 情欲に溺れた目線がそう聞いてきた。知識だけでここまでのテクニックが引き出せるのか、もしかして……と奈月に己のソレを触れられた時から、沸き立っていた疑問。しかし、彼女の視線はそんな疑問を晴らしてしまうほど、純粋で、純真で、初心うぶだった。

「はぁはぁ……やめてくれ……表情の選択に困る……」

「……ふふふ……んぷ。ちゅるる。ちゅぱ……じゅぽじゅぽ、じゅるる」

 先ほどまでは打って変わって、奈月は貌を上下させ、立宮の肉棒にしゃぶりついた。雁首だけを重点的に嬲り、しゃぶる。

 いよいよ声を出せなくなるほどに、身体の深い本能を刺激する快楽の波に為すがまま翻弄された。

 じゅぽじゅぽと淫猥な響きが体育倉庫に響き、耳までも犯す。その間も貌が激しく上下して、唇が亀頭に吸い付いた。カウパーはおろか魂さえも持っていかれそうな強い吸引力と魅力に、身体は籠絡される。

「っんん、んん。んぷんぷ、じゅるじゅるじゅっぽ。じゅぽじゅぽ……んむ……じゅぽ」

 悲しいかな、身体は何時だって正直だ。もう楽になっても良いのだろうか、硬直した怒張も、見開いた眼も、マットを強く握る拳も、力の入った足も、快楽の為す一瞬のために身構えてしまっている。

「じゅる……んん。だひて。おくちのなかに……んん、じゅぷ……ぜんぶだひて……ちゅるっじゅぷ」

「なつき……ッああ……だめだ」

 なおも生暖かい口腔は上下する。抽挿が肉芯に快楽を刻む度に、世界がひっくり返るような目眩が起こった。自分がどこにいるのかも曖昧な感覚で、宙に浮いているのではないかという錯覚さえする。

(ああ、もう駄目だ……)

 抽挿が激しさを増し、更に舌が裏筋を這った。貌が下りると驚くほど柔らかい舌が裏筋を撫で、貌が上がると巻くように舌が裏筋を舐った。

 視界が快楽に明滅する。

 射精感はとうに限界を超えていた。

 そして――いきり立った怒張が爆発する。

「じゅるじゅるるる……だひてだひて、じゅるじゅぽじゅるるる、んん、んむ……じゅるる」

 熱い衝動が芯を貫いて、遂にその時はやって来た。

「っああ……射精る!」

「――っんんー!? じゅる、ん、ん、んむ!……きたぁ……んん! じゅるるじゅる……っんん! んん!」

 堪えきれなかった。

 濃い白濁が奈月の口腔へ流れ、弓なりに反って腰が浮いた。しかしそれは長い射精の第一波に過ぎない。うねりを上げて湧き上がる快楽に、直ぐさま第二波の存在を予感した。

「ん……んんんんんっー! んむ……じゅるる、ん! んん!」

 朱く潤った唇はなおも離さない。グロテスクから解き放たれて暴れる汚濁を、男根を押さえつけて、躊躇することなく呑み続けた。

 んくんくと喉元が動くのがわかる。苦みもあって、生くさいはずのソレを嫌がることなく――いやむしろ悦ぶようにして――呑み続けるその可憐な少女の姿に。

 第三波は直ぐにやって来た。

「ああ……なつきっ!」

「だしてだして! んんんん!! ん、んぶ……ちゅる……んん! はぁ……んん。んむ、んはぁ」

 波が引くようにして、身体の力が抜けた。強ばった筋肉は立ち上がることを拒否するほど脱力し、脳は快楽の余韻に痺れて、まともな思考ができない。

「んぷんぷ……れろぉ、れろぉ」

 どこまで奈月きみは男を悦ばせる天才なんだ。

 雁や根元に絡んだ精液を舌で掬い取って、口元に運ぶ。最後には尿道に残った精液さえ余すことなく呑み干そうと割れ目に舌を食い込ませ、吸い付いてきた。

 そして彼女は、

 ――ごちそうさまでした。

 そう言わんばかりに亀頭にちゅっとキスをした。

 めいもくしていた眸が開く。その貌はふしだらで、艶やかで、より一層美しかった。頬を朱くして微笑むその美貌は貧しき者に幸せを与える天使のようで……。

「ふふ、たくさん射精たね。でも――まだ終わらせないから」

 蠱惑的に笑った。

 否。彼女は天使でも何でもない。もはや人の皮を被った淫魔サキユバスだ。

 

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