【プロローグ】少女×秘密=愛?【R18】【オリジナル小説】

プロローグ――微笑みの天使

 眼を開けるとそこには空が広がっていた。

 茜色の美しい空だ。

 柔風の吹く屋上には一人の男と一人の女。男は金網の前に立ち、ただただ街の景色を眺めている。女の方はと言うと、小さな寝息を立てて気持ちよさそうに眠っていた。

「あれだけ激しいことをしたのだ。眠くなるのも仕方がない」

 男は眠り姫に向かって、ぽつりと一言。その言葉はにも触れず、風にさらわれ、掻き消されてしまう。

「さて。どうするべきかね」

 彼女と関わりを持ってしまった以上、この身は必ず責任を負わねばならない。

 しかし彼女の隣に立つということは、彼女の心の闇にも触れるということ。

 彼女は純粋無垢だ。そんな彼女をこの身は穢してもいいのか。

「私には彼女の隣に立つ資格などないのだろう」

 それでもせめて。彼女に大切な人が見つかるように。

 私はその一線を踏み越えねばならない。

「…………ぅう。はぁーっ」

 どうやら彼女を起こしてしまったようだ。二、三度小さな深呼吸を繰り返し。

 屋上に静寂が訪れるのを待った。

「――この街はいつ見ても美しい。そうは思わないかね?」

 

次回

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