

どもどもhaloでございます!
前回、前々回で物語の方向性とプロットを作成しました。
今回はそのプロットをもとに『初心者のための小説講座・執筆編』ということで実際に執筆してみます。
【前々回】
【前回】
contents
一話一話にもプロットがある!
プロットは物語の設計図です。
その物語にも大小があり、前回まで作っていたのは物語全体の方向性を定める大のプロットでした。
というわけでまずはその大を構成する一話一話のプロットを作っていきましょう。
前回、前々回でお世話になった異世界転生物語を例にまた語っていきます。
シーンは『起承転結』の転から『魔王討伐のシーン』でいきたいと思います。
小説には『心理描写、情景描写、説明文、会話文』があり、どれに偏り過ぎても読みにくい駄文になってしまいます。
比較的いろんなキャラクターにスポットライトがあたりやすい異世界ものならなおさらです。
あやふやなまま実際に執筆しようと思っても、そのバランス調整は上手くいかないことが多いです。
ですのであらかじめどのようなシーンに仕上げていくのかその設計図、つまりプロットが必要なわけです。
具体的な方法ですが、まずは小説とは切り離して、映像で思い浮かべてみるといいです。
「自分の作品がアニメ化したら……映画化したら……こんな風になるんだろうな」
小説家は妄想が大得意です。
簡単ですよね?
では大まかに場面を並べていきましょう。
『第〇〇話「魔王討伐シーン」』
魔王軍幹部との戦いに疲れ果てながらも勇者一行は魔王のいる玉座の間にたどり着く
↓
主人公が魔王に「なぜこんなことをするんだ」等の質問をし、魔王が答える
↓
その発言に怒りを覚えた仲間の一人が魔王に飛び掛かり、反撃をくらう
↓
主人公と仲間は今までの戦闘で培ってきた大技を次々に繰り出すが、魔王は効いている素振りを見せない
↓
次々に仲間が倒され、残りは主人公だけになる
↓
使用すると記憶を失ってしまうため、しばらく封印していた『伝説の剣』を取り出し、魔王に立ち向かう
↓
仲間との、異世界での旅の様子が脳内によぎり、記憶を失くしてでも魔王を倒すと決意する
↓
魔王も最後まで残していた大技を使い、最後には力と力のぶつかり合いになり、ぎりぎりのところで主人公は勝利する
大まかに場面を書いていきました。
次はここにメタ情報(作者側の情報)や更なる詳細をのせていきます。
『第〇〇話「魔王討伐シーン」』
魔王軍幹部との戦いに疲れ果てながらも勇者一行は魔王のいる玉座の間にたどり着く
↓・『伝説の剣』はもう使えないなどの心理描写。後の使ってしまう場面とでギャップ
主人公が魔王に「なぜこんなことをするんだ」等の質問をし、魔王が答える
↓・魔王の発言は過去の行いの全ての説明するように。『村を滅ぼした理由』等
その発言に怒りを覚えた仲間の一人が魔王に飛び掛かり、反撃をくらう
↓・滅ぼされた村出身の仲間は怒り狂う。他の仲間は止めようとする
主人公と仲間は今までの戦闘で培ってきた大技を次々に繰り出すが、魔王は効いている素振りを見せない
↓・一つ一つが過去の強敵を打ち破ってきた大技。描写と合わせて魔王の絶望感を出す
次々に仲間が倒され、残りは主人公だけになる
↓・プロローグなどで語った『無力な自分』を思案させる
使用すると記憶を失ってしまうため、しばらく封印していた『伝説の剣』を取り出し、魔王に立ち向かう
↓・上記と今の主人公を対比させて成長を描く
仲間との、異世界での旅の様子が脳内によぎり、記憶を失くしてでも魔王を倒すと決意する
↓・『もう昔の俺じゃない。仲間は必ず守る』等の発言
魔王も最後まで残していた大技を使い、最後には力と力のぶつかり合いになり、ぎりぎりのところで主人公は勝利する
ここまで書くべきことを事前に書いておけばもう迷うことはないと思います。
それでは実際に執筆してみましょう(といってもここからはあなた次第なのですが)。
最低限知っておくべき小説作法
他の技術的な部分や応用はまた別の記事に書きます。
今からは駆け出し小説家が知っておくべき小説作法について話したいと思います!
小説作法を覚える前に
これだけは断言できるのですが『小説にルールはありません』。
論文やレポートなどお堅い文章と違って、小説はそれぞれの作者が好きなものに対し個性を発揮するものです。
ですのでこれから語るのは、あくまでも『デファクトスタンダード(事実上の標準)』です。
読者や他の作者から「お前の文章は間違っている」と言われたくなかったら積極的に学んでいきましょう(ほとんどの方が小説作法に慣れているので、そうでない文章は視覚的に読みにくいのです)。
①段落の頭、改行後には全角スペース
実際に例を見せましょう。
「無頼の救世主より『side-B savior』 作藤宮古」
「一つはここから飛び降りて、その人生に自ら終止符を打つこと。自由はお前を裏切らない。その先には苦しみも悲しみもない」
偽善者の言葉に騙されて、口先だけの『命の大切さ』に囚われるくらいなら、死ねばいい。人生の素晴らしさを説く人間は得てして本当の痛みを理解している気でいて、嘘に嘘を重ねる。彼女が死を選ぶのなら、俺は止めない。それもまた人生を幸福で象る一つの手段なのだろう。
数十秒の沈黙に彼女はゆっくりと口を開く。
文章を貸してくださった藤さんに感謝です。
というわけで実際に見てみればわかりますが、段落の頭、改行後には全角スペースがついてます。
ホントささいなものですがこういうのが文章作法です。
②『…(三点リーダー)』や『―(ダッシュ)』は二つで一セット
これはよくある間違いです。
まずは三点リーダーの話からします。
「無頼の救世主より『side-B savior』 作藤宮古」
「……なんでなのかわかんない。だけどわたしは……死ねなかった……死にたくなかった……ッぅ…………ぅぅ…………」
三点リーダーは主に一呼吸や二呼吸の沈黙に使います。
上記がいい例になると思います。
そして『…』は一つだけで使用しておらず、必ず二つセットの『……』で使っております。
後ろの『…………』は『……』を二つ組み合わせて出来ています。
簡単に言うと、ダッシュでも同じなのですが、これれら二の倍数で用います。
他にもよくある間違いとして、
『・・・』のように中黒(と言います)を使ってしまう、『...』のようにピリオドを使ってしまう、があります。
出し方は日本語入力でキーボード上のピリオドを押し、変換か、直接三点リーダーと打つかです。
次は『―(ダッシュ)』の説明ですが、例によって、例のごとく文章をお借りして説明します。
「無頼の救世主より『side-B savior』 作藤宮古」
振り返った彼女の貌は怪訝そうに歪んだ。濡れた視界の先に立つ男――黒いパーカに身を包み、あまつさえフードで顔を覆っている――に突然に話しかけられ、既にその手中に自分の心情が収められている、そんな口振りで自分を語られているのだから。
***
「お前が前を向いて歩きたいと思うのなら、俺がお前を――救ってやる」
上記のように、『―』は前文の追加情報を書くときや、『―』の文を強調するときなどに使います。
これも『…』と同様に二つで一セットです。
よくある間違いとして、
『--』のように伸ばし棒を使ってしまう、『--』のようにマイナスを使ってしまう、などがあります。
『―』は二つ入力すると『――』のようにきれいに繋がります。
出し方はキーボード上ではわかりにくいので(似たような横棒がたくさんでてきます)、ダッシュとそのまま入力するか、コピペして貼るか、ですね。
ダッシュをどこかのキーに割り当てるのもいいかもしれません。
③感嘆符(!)と疑問符(?)の使い方
さっそく具体例です。
教室で歓談を交わす二人の生徒。
「なあ。昨日のテレビ見たか? あれめちゃくちゃ面白かったよなぁ!!」
「あーみたみた! 確かに腹抱えて笑ったわ」
チャイムが鳴り止んでも話を止めない二人のもとに、教師がやってくる。
「――!?」
「おい! うるさいぞお前ら!」
「すいません……」
文章は借りた方がよかったのかもしれません……。
というわけで一つ一つ説明していきます。
まず基本的に『!』や『?』のあとは全角スペースです。
そして『!』や『?』は全角で、半角の『!』や『?』を用いることはありません。
環境依存文字にも注意してください(『❕』や『❔』こういうの)
二つ続けるときは『!!』、『!?』のように全角のものを二つ入力します。
セットになっている『‼』や『!?』は使いません。
④句点(。)と読点(、)の使い方
ときどき見かけますが、小説で『.(ピリオド)』や『,(カンマ)』を使うことはありません。
英文はもちろんですが、教科書や国の出す文書、論文などで『.』『,』は使います。
また会話文の最後に句点が付くことはありません(昔の小説では度々見かけますが、あくまでもデファクトスタンダードです)。
ですので、
「あーみたみた! 確かに腹抱えて笑ったわ。」
のように会話文の最後に『。』をつけないように。
これは()でも同様です。
使いたかったら、()の外に出してあげましょう。
ただ読点は度々使います。
「『A lover of』 作藤宮古」
「予約していた森下ですけど、」洗練された佇まいのフロントスタッフにそう告げる。
会話に余韻を残したいときや「話はまだ続くぞ」という時に使いますね。
というわけで小説作法のお話は終わりです。
終わりに
これにて『初心者のための小説講座』は終了です。
これで誰でも環境さえあれば小説は書けるようになりました。
しかしまだまだ『小説家への道』は始まったばかりなのです。
みなさまの役に立てるような小説に関する情報をこれからもお伝えできればなと思っております。
それでは別の記事でお会いしましょう。
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